災害が迫る季節になってきました。中村です。(@nkmr_husky)

昨年の2019年10月12日静岡県伊豆半島に上陸した台風19号を覚えていますか?

東日本を中心に大きな被害を残していった激甚災害。

大雨特別警報が7都県に発令され、都市部の冠水被害や河川の決壊・氾濫・越水、土砂崩れなど、今までは被害を免れていた地域さえも被災地となるほどの大きな災害でした。

人生で初めて避難した、という方も多かったと思います。

その結果、ホームレスが避難所に入ることを拒否されたり、ペットと避難できずに自宅に留まったケース、避難所での痴漢など、人口密集地での大規模な避難行動によって今までは見えてこなかった災害時の課題があぶり出されてきました。

その中でも、やはり動物と暮らす人間としては

せっかくペットと一緒に避難したのに、中には入れなかった

というケースがあることに胸を痛めずにはいられません。

なんせ私もその1人でした。

ペットと避難するということはどういうことなのか。

昨年の台風19号で避難した経験をここに残すとともに、誰かの参考になればと思います。

マジで早めの避難を

私が住む場所は東北の田舎町。
犠牲者が多かった県でもあります。

川のそばに家があるので、「今回の台風かなりやばいらしい…」という意識のもと、当日は川の水位が見れるサイトを注視していました。

台風が関東圏に近づいてきた頃はまだいつも通りというか、普通の雨の日と変わらないような増え方でしたが、暴風域に入ると尋常じゃない速さで川の水位が増していくのがサイト上で分かりました。

10分ほどサイトから目を離した隙に、ついに氾濫の危険があるラインまで水位が迫っていました。

サイトはあくまで目安で、タイムラグがあるのもかんがみると、もう時間がありません。

この時点でまだ避難勧告・指示は出ていませんでしたが

  • 避難所までは車で移動するので、道が冠水していたら逃げられない
  • 避難所までのルートに橋がある
  • 高齢者が2人
  • 犬がいる

と、この三つを考慮して早めに避難所へ行くことにしました。
おそらく犬は中へ入れないので車中泊する想定です。

災害時の避難って体力もいるし、なかなか踏み切れない人も多いと思いますが、東日本大震災で何度か避難生活を送っているので、結構すんなり避難しようと決断しました。

避難に慣れているか慣れていないかでも、スピード感が変わってきそうなのでシュミレーションしておくことって大事だと思います。

緊急時には人間も焦っているので思いもよらないシーンで事故に繋がります。

きちんと犬にハーネスと首輪をつけたことを確認犬用の災害時のバッグを持って車に乗り込みました。
どうせ犬は避難所へ入れないので、クレートは持って行きませんでした。

ちなみに我が家には犬とハムスターと熱帯魚がいますが、連れて行ったのは犬とハムスター。

ハムスターは動物病院に行く際の小動物用キャリーに入ってもらって、普段から準備している災害時用の荷物があり、それを持つだけなので避難はスムーズでした。
こういうとき魚ってどうすればいいんでしょう…。

各々避難するための準備をしていると、15分後くらいでしょうか。

避難指示と大雨特別警報が出ました。

車での避難

エリアメールが鳴り響く中、車で避難します。

外の世界は刻一刻と変わって行くのが分かりました。

排水が追いついていないので、道路の水は基本的にどこもくるぶしくらいまであり、川の水は所々で越水。
風の音と雨音が酷くて隣にいる妹の声もよく聞こえません。
犬は普通ではない状況を察知したのか、うんともすんとも言わずに、ただびっくりしている様子でした。

落ち着かせようとしてもこんな状況ではまず無理なので、背中や喉周りなど、いつも触っている場所をいつも通りに触っていました。
パニックになって暴れ出しても大丈夫なように、リードは握ったまま。

道中冠水した場所にぶち当たってしまい、近くにいた住民の方に誘導してもらってなんとか避難所にたどり着きました。

早めに家を出たつもりだけど、もう通れるルートは限られてきた時間帯だったようです。

私たちが高台の避難所についた頃、町中ではサイレンの音が鳴り始め、

次帰ったとき、家はもうないかもしれない

そんなことを思っていました。(実際は全然無事✌️)

避難所には着いたけど…

私たちが避難所についたのは午後6時〜7時くらいだったでしょうか。

最初は想像よりも人が少なくて、避難はちょっと大袈裟だったかな…と不安でしたが、夜が深まるにつれたくさんの人が避難してきたので判断は間違っていませんでした。

気になるのは犬とこれからどうするか。

まぁ念のため温情のある人がいたらラッキーかなぁ、なんて少し希望を持ちつつ

「犬がいるんですけど、一緒に中、入れますか?」

と聞いてはみましたが、案の定入れず、「そこに繋いで置くことはできます」と、軒先の雨風が当たる場所を指さされました。

内心プッツーンとキレましたが、「ですよね〜〜」と今できる最大限の笑顔でその場を後にしましたね。

余計な体力は使わないこと。

犬とハムスター、車中泊の夜

そもそも車中泊するつもりだったので、「犬は中に入れないの!?どうしよう!!」とはなりませんでしたが、なんとかならないものなのかなぁと、一晩風で揺れる車内で考えていました。

一晩、車中泊と言っても、安全というわけではありません。
風が吹くと車体は大きく揺れて、雨粒が当たる音も大きくて恐怖です。
車がひっくり返ったら終わりだ…と。

車内で夜が明けるのを待つラン。 本当は避難所の中、どんなに狭いところでもいいから一緒に入れて欲しかった。

町の方ではサイレンの音と、鳴りっぱなしの自動車のクラクションの音が酷くなっていきました。

車内のテレビではどこかの川が氾濫したという速報と、警報が追加されるアラームが頻繁になり、高まる不安。

避難所に入る車も増えて、中には犬と一緒に来た人もいます。
でも避難所には入れないのでやっぱり車中泊。

日頃から車中泊に慣れているわけでもないので、私たち人間の負担も減らすべく、1時間ごとに家族でローテションで犬とハムスターのお守りをする。

そうやって長いような短いような、ひたすら自然の恐怖に耐える夜を明かしました。

夜があけた世界

まるで昨晩の悲劇なんてなかったかのような晴天。

ぐっすり寝れたかというと、全く。

みんな体力を温存できるようにと、ローテーションにしてなるべく車内にいる時間を少なくしていましたが、次第に豪雨の中、避難所と車を行き来することが大変になり、結局私は明け方までの4時間ほどは車内にい続けました。

車内にトイレシートは敷いていましたが、全くおしっこもウンチもする気配はなかったので、夜中の雨風が若干弱まった瞬間に外に出しました。

それでも排泄することはなく、朝を迎えてしまいました。

昨夜通った道を戻るルートで家に帰ったのですが、川に近い家は2階まで浸水したようで、町中で砂ぼこりが舞っていました。

職場も泥に浸かり、町中が機能停止。

我が家は建物の損害もなく、家族と動物、みんな無事でしたが、2軒ほど先のお宅は水が上がってしまったようで、どうもギリギリ難を逃れたようでした。

大事なことは命、それだけ

車を持っていれば車中泊という選択はできますが、なければ自宅待機…と簡単にはいきません。
命の危険が迫るような場所に住んでいるなら、そこに留まることは危険です。

大型犬を飼っている人もいれば小型犬の人も、多頭飼いの人もいる。

避難所までの距離が近い人もいれば、遠い人もいて、避難に慣れている人もいれば慣れていない人もいる。

私たちは今回わずか1日だけの避難生活でしたが、これが何日間も続くような状況になるとまた違ってきます。

家族やコミニティーの数だけ災害時の対応も色々。

だから、こうしておけば絶対に安全!というマニュアルは私からは言えません。

でも、この経験から感じたことがいくつかあります。

  • 気象情報は最新のものを
  • 自治体の指示を待たなくていい
  • 防災・避難マニュアルはあなたが作る
  • 避難することを恐れてはいけない

文字数も多くなってきたので、詳しいことはまた後日書きたいところです。

でも「防災・避難マニュアルはあなたが作る」に尽きると思います。

あなたがどんなところに住んでいるのか、家族が何人いて、どんなリスクがあるのか、私や気象庁が把握することはできません。

全て知っているのはあなただけですから、あなたが一番命を守れると思った方法で災害とうまく付き合いましょう。

同行避難と同伴避難を正しく理解していますか?

最後にもう一つ、ペットと暮らすみなさんには必ず覚えておいて欲しいことがあります。

それは環境省が定める「同行避難」と「同伴避難」について。

「市は同行避難してください、って言っているのに実際避難所には入れなかった」

災害の最中、こんなツイートが多く見られましたが、同行避難と同伴避難について勘違いされている方が多かったのが気になりました。

Twitterにも書きましたが、この二つは意味が異なります。

同行避難(どうこうひなん)

ペット(犬・猫)と一緒に避難すること
※逃げるときはペットを置いていかないで!という意味で避難所のなかに入れるわけではない

同伴避難(どうはんひなん)

ペット(犬・猫)も避難所の中まで入れること
※生活スペースが必ずしも飼い主と同じ場所ではない

環境省が推奨しているのは「同行避難」
あくまでペットを置いて逃げないで!!という意味で、ペットを連れて逃げたから避難所も一緒に入れるかというと、そういうことではないです。

ペットも中に入れるかは各自治体や、避難所の判断になりますが、全国的に見ても「同伴避難」できる場所は少ないです。

まずはこのことを頭に入れて災害対策、備蓄をしておくといいと思います。

厳しいことを言ってしまうと、日本は動物愛護・福祉の後進国であり、災害大国でもあります。

ペットを守るのは、あなたしかいません。

私も皆さんと一緒に見ている景色を広げるために色々吸収しまくっています。
でも、もし間違いがあったらTwitterでも何でもいいのでご教授ください!
感想も待ってるよ!!!!

TwitterInstagramnoteも更新してるよ!
ポップなどうぶつモチーフのグッズもSUZURIで発売中です!!
めっちゃ可愛いから買ってね!