猛威を振るう新型コロナウイルス

私の住む田舎町でもドラックストアやスーパーから、軒並みマスクが消えてしまいました。

ダイヤモンド・プリンセス号で隔離中の人の中から次々に陽性との検査結果が出たり、13日には国内で初めての死者が出るなど、新型コロナウイルスに対する国内の不安が非常に高くなっています。

感染症に関心が高まっているこの折、犬の感染症に対する知識を深めませんか?

犬が感染するコロナウイルスもある

ちなみに、一気に知名度が高くなったコロナウイルスですが、犬が感染するコロナウイルスも存在します。

ウイルス性腸炎で下痢、嘔吐を引き起こします。犬パルボウイルスと混合感染すると重症化しやすいですが、ワクチンで防ぐことができます。
今回の新型コロナウイルスとは別物です。

みなさんが心配なのは、現在流行しているコロナウイルスが犬にも感染するのかどうかだと思います。

現時点での動物への感染は報告されていません。中国では犬や猫がウイルスを媒介するなどのデマが広まり、ペットの犠牲が出ているようで、情報は慎重に取り入れましょう。

(追記:2020年2月28日中国でペットの犬から軽微な陽性反応が出たとの報道がされました。確実な情報をキャッチして、今後の推移を見極めましょう)

しかし、これは2020年2月25日現時点での話です。ウイルスが変異したり、今後の状況によってはどうなるかわかりません。安心して無防備になることなく、普段からしているペットのお手入れは欠かさないようにしましょう。

新型コロナウイルスのペットへの感染についての記事はこちら
厚生労働省によるQ &A
いろはにペットHP

ワクチンで感染症からペットを守る

犬がかかる感染症の中には、重症化すると危険なものもあります。特に狂犬病は感染すると治療法がない上に、人間にも感染するので狂犬病を予防するワクチンの接種は狂犬病予防法で義務づけられています。

感染症の多くはワクチンを打てばきちんと予防できるものばかりです。
犬の場合は混合ワクチンといういくつかの感染症に対するワクチンが混ざったものを注射して、危険な感染症から犬を守ります。
混合ワクチンは義務づけられてはいませんが、犬を飼う責任を果たすため、社会へ迷惑をかけないためには必ず接種させましょう。

混合ワクチンによって防げる犬の感染症

一般的に受けることのできる混合ワクチンは大きく分けて、2〜8種あります。

犬ジステンパー・犬パルボウイルス・犬伝染肝炎・犬アデノウイルスⅡ型は特に致死率が高く危険な感染症であることから「コア・ウイルス病」と呼ばれ、この4つを予防するワクチンを「コアワクチン」と言います。

コアワクチンを接種することは大前提として、そのほか予防したい病気や年齢、持病などによって愛犬に適した混合ワクチンを選びましょう。

混合ワクチンの種類

最低でも5種混合ワクチンを接種すれば、コア・ウイルスから守ることができるね!

定期的な投薬で感染症からペットを守る

ワクチンによって防ぐ感染症もあれば、毎年一定の期間の投薬によって防ぐ感染症もあります。

虫が媒介となって感染する病気には、大体4月頃〜11月頃までの期間、主にビスケットのような固形の経口薬や背中に塗布する液薬で予防します。

フィラリア感染症

フィアリアに感染した動物の血を蚊が吸い、また別の動物の血を吸うことによって体内に卵が侵入し、感染します。
卵から孵化した幼虫(ミクロフィラリア)は血液の流れに乗って全身を循環します。
体内で成長し、糸状虫という白く細長い寄生虫になると、心臓や肺に達し呼吸器症状などを引き起こし、やがて死に至る危険な感染症です。

予防するには?

感染源が非常に身近な上、危険な感染症でもありますが、適切に投薬することで防ぐことができます。

地域によって差はありますが、大体4月から蚊が見られなくなる11月頃までの毎月、投薬します。
薬といってもビスケットのような固形になっていて犬が食べやすいようになっています。

「うちの犬はあまり外に出ないから予防しなくても大丈夫」という方がたまにおられますが、何を根拠に言っているの?と言いたくなります。屋内であっても蚊は飛んでいることはありますよね。

おやつをひとかけら食べてもらうだけで、命を守ることになるので毎月のフィラリア予防は絶対に忘れないようにしましょう。

ノミ・ダニ

ノミ・マダニは多くの病原体を媒介し、重篤な症状を引き起こしたり、かゆみ、皮膚炎の原因になります。

代表的なものに犬バベシア症があり、バベシア原虫を媒介するマダニに犬が噛まれることによって発症します。
発熱や貧血を起こし、重症化すると死んでしまう場合もある感染症です。

さらに、マダニが媒介する感染症の中には人間にも感染するものがあります。動物から人間にうつる感染症は重症化しやすく、SFTF(重症熱血小板減少症候群)という出血症状を起こす感染症に関しては、65人の方が亡くなる被害が出ています。(2018年12月までに)

予防するには?

こちらもフィラリアと同じように大体4月から11月くらいまでの暖かい時期に月1回投薬します。
固形のおやつのようなものもありますが、スポットタイプと呼ばれる薬液を肩甲骨の間にポトっと落とすものもあります。種類や機能が微妙に違うこともあるので、何を使うのが一番いいのか、担当の獣医さんと相談しながら決めましょう。

殺虫薬の役割もある

予防といっても実際の働きは駆除です。蚊やノミなどの小さい寄生虫はいくら用心していても100%寄り付かないということはありません。
フィラリアの予防には通常4月〜11月の投薬ですが、感染した場合は駆除薬でもあるので約2年ほど続けて投薬して様子を見ます。

ノミ・ダニの予防薬、駆除薬はホームセンターでも見かけることがありますが、効果や持続性において不安定な部分があるそうで、やはり動物病院から処方されるものが確実です。

犬も人間もかかる感染症

中には犬(脊椎動物)と人間、どちらも感染するものがあり、それらは人獣共通感染症と呼ばれます。国際的には「ズーノーシス」(Zoonosis)と言われ、重症化しやすく非常に危険なものが多いです。

主なズーノーシス

  • 狂犬病
  • サルモネラ症
  • レプトスピラ症
  • パスツレラ症
  • 犬ブルセラ症
  • 結核
  • カンピロバクター症
  • エルシニア症
  • 野兎病
  • リステリア症
  • Q熱
  • 皮膚糸状菌症
  • クリプトコッカス症
  • 白癬(はくせん)
  • トキソプラズマ症
  • 回虫症
  • フィラリア症(犬糸状虫)
  • エキノコックス症

こんなにいっぱい!?

普段からできる感染予防対策

過度な触れ合いは避ける

可愛さのあまりベタベタしてしまいますが、濃厚接触により感染リスクはぐっと上がってしまいます。

口移しやスプーン・箸の共用はもってのほか。同じ布団の中で寝ることも濃厚接触にあたるのでやめましょう。

野生動物の飼育や接触は避ける

野生動物はどんな細菌を持っているかわかりません。安易に触らないようにしましょう。

また、野生動物を勝手に持ち帰り、自宅で飼育してはいけません。

ジビエ料理を食べる際はしっかり加熱しましょう。

動物に触ったら手洗い

動物の毛にカビの菌糸や寄生虫の卵が付いている可能性があります。

知らないうちに動物の唾液や粘液を触ってしまっていることもあるので、必ず手洗いをしましょう。

動物や身の回りは清潔にする

ブラッシング、爪切り、シャンプーなど、ペットの体は常に清潔に保ちましよう。

タオルや敷物などは細菌が増殖しやすいのでこまめに掃除が肝心です。

糞尿は速やかに処理

糞尿が乾燥すると、その中の病原体が空気中を漂い、吸い込んでしまいます。

糞尿をしたトイレシートなどは速やかに処理しましょう。

新型コロナウイルスの流行で感染症の怖さを知った今だからこそ、学ぶべきものはあるってね。

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